【インタビュー:弁護士法人 太田・小幡綜合法律事務所 関上健一郎さん】専門家とのコーディネート役を通じて、相続・事業承継を極めたい

関上健一郎(せきがみ・けんいちろう)さん
弁護士法人 太田・小幡綜合法律事務所 札幌事務所 副所長 
行政書士

—生まれはどこですか?

1977年生まれ。浜中町霧多布の出身です。実家は呉服店を出発に、田舎なので総合衣料品を扱うお店でした。ニシンとかコンブとか漁業で栄えたまちで、人が集まっていたところに、祖父が開いた商店が原点です。

 

—高校から札幌へ?

高校は札幌に出ました。父が札幌の私立高校を経て東京の大学に行ったという経緯もあり「大学に行くのだったら、高校から札幌に出てがんばりなさい」という感じでした。地元の中学校に札幌光星高校のポスターが貼ってあって、勝手に私立高校=共学、というイメージがありました。入学式の時はじめて、男子校だということに気がつきました(笑)。生活はぼろぼろの下宿。初めて、「四畳半」という真四角の狭い部屋を経験しました。

 

—大学へは?

大学は北海学園大の法学部へ進学しました。進路を学校の先生か法律系か、迷っていました。教育大も合格したのですが、法律の道を選択しました。高校時代は男子校で抑圧されていたこともあり、大学生活はかなり開放的にはじけました。ラクロス部に入り、4年間、体育会のごとく一生懸命にやりました。

 

—卒業後はどこへ?

当時、就職氷河期と呼ばれていたころ。新卒でなんとなく入社した医療機器の販売会社は、半年でなんとなく辞めてしまいました。それからはフリーター生活です。ちょうど妹が高校進学で札幌に来ることになりました。親は「妹の監督役として一緒に住みなさい」ということで家賃を負担することなく過ごせることができました。後に弟も専門学校生となり、兄弟3人が札幌で合流しました。わたしはコンビニ・ホテルのウエイター・クリーニング店の配達・選挙のポスター貼りといったアルバイトを掛け持ちでやっていました。浜中にいる親はなにも言わなかったです。何も言われない分、ちょっとキツかったですね。7年間くらいそんな感じでした。当時、若かったこともあり勢いでなんとかなると思っていました。最後は実家の店を継げばいいじゃないか、みたいな甘い考えもありましたね。

 

—行政書士にはどうして?

兄弟3人で住んでいたアパートを出なくてはならなくなったのです。妹や弟がそれぞれ進学で。これはまずいなと。妹に1年間猶予をもらって資格取得の勉強をすることにしたのです。当時、たまたま行政書士を題材にしたテレビドラマがはやっていました。この時初めて行政書士という仕事を知りました。わたしは法学部だったこともあり、法律の分野だからなれるのではないかと。本屋に行き情報を集めました。予備校に通うお金もなかったので、参考書や問題集を数冊買い求め、家や図書館で勉強しました。生活するためのアルバイトのあい間をぬっての勉強。1回目は落ちて、翌年、2年かかって合格しました。

 

—行政書士として最初の職場は?

晴れて資格を取得し、求人情報誌などを見て、入れてもらえる事務所を探しました。なかなか、男性の資格者は入れる余地がなかったのですが、補助者を6人くらい使っている行政書士事務所に出会いました。アルバイトでもいいのなら明日からおいで、と。入れてもらいました。ここで9時〜17時半まで行政書士としての仕事をして、終わった後18時からは、ススキノのレストランでバーテンダーを深夜までやっていました。3年間そんな生活でした。仕事では建設業の許可とか、宅建業の許可とか相続などをしていました。会計の記帳代行もやりました。いろいろ、遠回りしましたけれど、いい経験になったと思いました。

 

—今の事務所へはどのように?

当時、30歳くらの時、結婚したいなあと思っていました。独立しようか、どうしようか、迷い悩んでもいました。行政書士に行き詰まりを感じ、別な営業職でもやろうかなと考えていました。そこで、家庭薬品の販売会社に転職をしてみました。その会社はノルマがキツくて、周囲の人がばたばたと辞めていくのです。ちゃんとした次の職場を考えなければと、求人誌をコンビニで見ていました。たまたま、今の事務所の求人に目が止まったのです。弁護士事務所なのに、なぜか行政書士の資格を持った人を募集していたのです。経験もあったし、入れるかもと思って応募しました。平成19年の当時、法務会計プラザ全体では相続の相談を強化しようということで、「LLP遺産相続サポートプラザ」という共同組合が立ち上げられました。この組織のコーディネート役を探していたのです。行政書士の資格を持っている人間が適任ではないか、ということでの募集だったことを後に聞きました。

 

—入ってからは?

入所してすぐに相続案件はわたしに回ってくるようになりました。プラザ全体でもまず、わたしに情報が来て、それぞれの専門家と連携して進めるようになりました。その後、地下歩行空間で相談会イベントを行ったりして、受注案件を増やしていきました。

 

—現在の仕事をおしえてください

11年目となった現在も相続がメインの業務です。会社の法務、トラブルに関すること、契約書のチェックもやっています。紛争になったら所内の弁護士さんに引き継ぎます。いきなり弁護士だとちょっと敷居が高い、というところにはわたしがまず先発隊ということで対応します。ここで整理してまとめて、所内にあげます。お客さまと弁護士との間でコーディネート・通訳することが得意な役回りです。その強みを活かして、外部の専門家たちとも連携し、月例の勉強会などもしています。

 

—大切にしていることは?

必要なスキルとしては、コミュニケーション能力でしょうか。相手の気持ちを察するとかおもんばかることを大切にしています。知識に関しては、守備範囲が広いので、広く浅くかもしれません。フリーター時代も接客業的なことが多かったので、上から目線ではなく、言われなくてもやっておくことなど習わしになっているかもしれません。相続・事業承継の仕事は、自分の中では7〜8割を占めるメインの業務。相談内容が複雑になればわたしの方でまずはお話を聞いて、だいたいの骨格(スキーム)をつくります。その上で誰が必要なのか、法務会計プラザの専門家や外部の専門家をチョイスしてチームを組んで対応します。

 

—今後の抱負は?

今後は、行政書士の資格はありながらも、弁護士事務所でコーディネート役をメインにやってきているので、相続・事業承継の部分を極めたいです。自分としては、全体の中で調整役が向いていると思っているのでウラ方仕事で貢献したいと思っています。特に、人脈はもっともっと広げて深めていきたいですね。「人脈が多ければ多いほど、問題解決力が高まる」という話しを聞いたことがあります。自分よりも長けている人と多く繋がる。そういう風に生きて、世のため人のために仕事をしていきたいと思っています。

 

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