【インタビュー:佐藤等公認会計士事務所 永久保智子さん】税理士の中でも特定領域の専門家として、精一杯の貢献を果たす

永久保智子さん

永久保智子(ながくぼ・ともこ)さん

佐藤等公認会計士事務所

税理士

 

―どのような仕事をしていますか?

主に資産税を担当しています。「法人だけではなく、個人の税金を中心に扱っています」と説明することが多いでしょうか。メインは相続税です。贈与税の扱いも多いですね。ケースとしては、「お母さんからお金をもらって家を建てた」とか、「おばあちゃんから現金をもらって何かを買った」といった場合、贈与税がかかります。通常1年間にもらった金額が110万円を超えたら必要になります。あとは所得税関係が多いですね。皆さんご存知の確定申告の業務です。

 

―得意分野は?

所得税・贈与税・相続税がからみあう複雑な依頼が得意分野です。この3つがセットで動くケースが多いのです。法人税・消費税がこれらに付随する感じになります。税理士の中ではけっこう特殊なポジションだと思います。不動産を売った時の税金の申告もその一つです。依頼者が「自宅を売却しました。で、マンションを購入しました」。この時「税金はどうなるのか?」といった相談が得意です。こういったことに関わってくる人は、会社が不動産を保有していることもあるので、法人税・消費税が関係してくる場合もあります。所得税・贈与税・相続税・法人税・消費税などいくつもの税金がからみあう複雑なご相談をわたしは担当しています。

 

―どのように案件を進めていますか?

現在は、仕事はチームで進めています。わたしがお客さまとお会いして。それは時にお客さまが日常業務を終えた夕方からのタイミングなどになりますが、持ち帰ったものをスタッフに渡して作業をすすめてもらう、という体制で動いています。

 

窓際の永久保さん

 

―なぜ税理士の道へ?

たまたま、無料で簿記の教室があるという記事を見つけました。そこが当時勤務していた会社が入っているビルの近くでした。無料で簿記の資格をとれるのだったら「よし、行くか」と。会社の仕事のあいまに勉強していたら、簿記の2級と3級が取得できました。その上はというと、「税理士の資格があるよ」ということを知りました。目指すなら専門学校だなと。その専門学校も近くにある。じゃあちょっとやってみるかということで科目を受けていきました。4年半で全部の科目を取得することができました。

 

―転職のいきさつは?

2003(平成15)年、税理士の資格を活かしてなにかしようと、知り合いに相談しました。知人のつてで佐藤等公認会計士事務所を紹介されたのです。すると、大学時代のクラスメートがいたのです。びっくり。そんないきさつで入所しました。事務所の印象は「会計事務所ってこういうことをするところなんだ〜」というもの。何も知らなかったからです。弁護士事務所・司法書士事務所・土地家屋調査士事務所がとなりにあり、わからない時はすぐ聞きにいって教わりました。2年間の実務を積み、税理士登録は2005年です。最初は普通に、法人の決算業務を中心にやっていました。現在のスタイルに移行したのは、6〜7年前くらいからでしょうか。

 

デスクワークをする永久保智子さん

 

―毎年3月が多忙のピーク?

例年、3月の半ばにやってくる確定申告の締め切りに向けて、超多忙な日々を送る1年を積み重ねています。事務所に入った当時は、朝までかかることもしばしば。というか終わらないのです(笑)。例年、1月の下旬くらいから始まっていました。最近は、みなさん早くから準備いただいて、秋口からスタートしています。お客さまも半分くらいは継続で、半分くらいは新規の方です。

 

―お客さまはどこから?

不動産の仲介業者さんからの紹介が多いでしょうか。お客さまはリピーターが多くなりました。永くおつきあいしている人が多いですね。1回、仕事をさせていただいたお客さまとは距離をおかずにいかに関係を保っていけるか。ここを大切にしています。近づきすぎないことも大事です。うるさがれないように配慮しています。

 

―仕事の喜びはどんな時?

相続の場合、人が亡くなった後に仕事をお引き受けることになります。ここからスタートして1年くらいかかってようやく仕事が完了する。最後、ホッとしたような顔をされた時がわたしの喜びでしょうか。1つひとつの案件は長いけれど、どこかで完結する。その終了時にお客さまが安堵していただいた瞬間がうれしい時です。あとは、簡単にいかない案件の時。複雑に入り組んだ難しいものは、組み合わせて最良の策を出すという案件があります。「いくつか案があるのだが、どれがいいのだろう」といった判断が必要なものは、わたしたちの付加価値になりやりがいがあります。

 

―抱負をお聞かせください

今後AIなどが発達していき、定例化した業務はそちらに任せるようになるでしょう。ものすごく難しい案件が残る時代になると思います。実際年々、難易度が上がっています。これに応えていくことは大変です。しかし、わたしが主な業務にしている分野は道内でも対応する税理士が少ないこともあり、精一杯対応していきたいと思っています。

 

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