星野太加雄(アウル税理士法人)
税務署から書類が届く?
税務署からある日、突然郵便物が届くことがあります。通称「おたずね」といわれる郵便物で、この「おたずね」には2種類あります。
ひとつは正式名称「譲渡所得申告のご案内」といわれるもので、自宅などの不動産や金地金などを売却した方々に届きます。「所得税確定申告の準備はお済みですか?」「申告しないのであればその理由を教えてください」といった内容のアンケート方式になっており、必要事項を記入して税務署へ返送するというスタイルです。3月15日の期限までに、所得税確定申告を忘れずに行っておこなっていただくよう促すことがひとつの目的です。
もうひとつは正式名称「相続税のお知らせ」といわれるもので、一定金額以上の財産をお持ちの方が亡くなったときに、亡くなってから半年くらいすると、亡くなった方のご親族に届きます。こちらは分厚い封筒に書類がいっぱい入って送られてきます。「相続税確定申告の準備はお済みですか?」「申告しないのであればその理由を教えてください」といった内容のアンケート方式になっており必要事項を記入して税務署へ返送するというスタイルは同じですが、記入すべき事項が多岐にわたるので注意が必要です。その目的のひとつは、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内の申告期限までに相続税確定申告を忘れずにおこなっていただくよう促すことです。
実は、この「おたずね」が届いてから税理士に相談では、ちょっと遅いのです。申告期限までの時間が短いため、税理士として、会計事務所として充分な対応がとれないケースが多くなってしまいます。例えば、土地を売る時などは売ることを思いついた段階から、相続税では四十九日が過ぎた頃に、ご相談いただきたいところです。申告の期限までの間にゆっくり、じっくり時間をかけてご相談に対応することができます。そうしますと、申告方法の選択肢が広がる可能性が高くなります。
困った時はすぐお電話を
まずは、お電話ください。税理士、あるいは担当者が1度お会いして1時間ほどお話しをうかがいます。もちろん無料。費用が発生することはありません。
その後、もっと詳しくお知りになりたい事があれば、その内容に応じた料金を提示いたします、税金の申告のご依頼ももちろんお引き受け可能です。いずれも料金提示の上、お客様のご了承をいただきましたら正式に業務開始となります。
60歳になったらスタート
ご自宅の住替え、配偶者やお子様・お孫様への贈与などは、「還暦を迎えたら将来を見据えて行動に移す」、このことをおすすめしています。体力、気力が充分の60歳のうちに。そうすれば、多くの時間をかけることができ、やれることの幅も広がります。長期的な視野で将来を展望できるので安心です。
税金に関することは面倒だからと後回しにせずに、早めの行動開始をぜひお勧めします。
監修:永久保智子(税理士・アウル税理士法人)
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