法務・会計プラザの「アウル税理士法人」代表社員、佐藤等さんが『ドラッカーに学ぶ人間学』を出版!

―新刊が発行されました。
佐藤 しばらくぶりの出版になります。今回、致知出版社(東京)による『ドラッカーに学ぶ人間学』の本で、通算8冊目になります。

―どのような本ですか?
佐藤 人間学を学ぶ月刊誌『致知』の連載をまとめたものです。「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」という連載を2019年の2月から開始し、以来、3年にわたって毎月書いています。連載スタート時は、さっぽろ雪まつりでコロナ感染者が初めて出た時。最初の原稿は、それ以前に書いていましたが、わたしの連載はほぼどっぷりコロナ禍に重ねるものとなっています。

―3年間、大変でした。
佐藤 連載は「1年間で」ということで始まりました。最初はドラッカーのことについてお伝えしようと書いていました。そして1年後。最後の記事になるなと思い、全力で取り組みました。そうしたら「もう1年お願いします」と。全力で書いた後だったので、ちょっと脱力感がありましたね。しかし気を取直して2年目を過ぎ、おかげさまで今3年目となっています。

―全力を出し切った部分はどれですか?
佐藤 184ページからの28節です。「マネジメントとは、科学であると同時に人間学である。客観的な体系であるとともに、信条と経験の体系である」というパート。本書の表紙コピーにも使われた部分です。なので、この節はじっくり読んでもらえればうれしいですね。

―連載時、毎回のテーマはどう決めているのですか
佐藤 テーマはないのです。これがつらいのです(笑)。編集部からのリクエストもないのです。毎月、26日が締め切り日で、今回も一週間後に迫っていますが、まだ決まっていないのです。何にしようかな、と毎回悩んでいます。でもいったんテーマが決まれば、だいたい1日で書き上げ、後日、2〜3回の推敲を経て完成させています。何度か、全面的に書き直した時もありました。版元の藤尾社長は次号の特集を何にしようかと悩んでいた時、「真っ白な『致知』が発刊される夢を何度も見た」と言っていました。わたしの場合はこれほどおおごとではないのですが、「いやー、どうしようかな」と。さすがに締め切り当日ということはないですが、前日まで考えていることは、よくあります。テーマが決まるまでは苦悩の日々がつづきますね。

 

―連載時、反響はどうでしたか?
佐藤 直接的な反響はあまりお聞きする機会がないのですが、たまに「読んでます」と言ってくれる人や「(連載ページを)コピーして持ち歩いています」といったありがたい読者もいます。先日、ある講演会に行った時のこと。50人ほどの参加者がいたのですが、そのうち10人以上の人から「読んでいます」と言われ、びっくりしました。『致知』の読者は全国で11万人と公表されています。意外と多く身近にいるんだなという感じがしました。

―連載中はこの書籍化をゴールにしていたのですか?
佐藤 いえいえ。まったくそんなことはありません。この本ではみごとに5つの章にわかれていますが、これは担当された編集者によるもの。すばらしい仕事をしていただきました。この分類は、自分ではとうていできないことでした。よくぞ、整理していただいたという感激です。

―内容は連載時のままですか?
佐藤 連載から書籍化する上で多少手直しをしました。けれど割合にすれば1割もないくらいです。定期購読の読者向けの部分を割愛したり、少し補ったり、という程度です。

―振り返ってみてどのような本になりましたか?
佐藤 この本に通底するメッセージのひとつに「マネジメントは文化である」というものがあります。日本には人間学という日本独特の文化があります。日本の人間学は東洋思想をベースにしたもの。東洋思想を源流に、人間学とドラッカーを掛け合わせると、どうなるのか。ドラッカーの著作にも儒家の教え、儒教について深くふれている部分があります。東洋思想をドラッカーはよく知っていたと言えます。仏教についても、神道についてもドラッカーは著作でふれています。このあたりのことを、普段「日常のマネジメントでは使っていないよな」という思いがあります。マネジメントイコール西洋のもの。という思い込みがあります。マネジメントはマネジメント。人間学は人間学という別々のものである印象があります。しかし、この伝統文化をどうやってマネジメントに活かしていけばいいのか。例えて言えば、『論語』に出てくる「君子」を「マネージャー」と読み替えれば、だいぶ使えるものがあります。この2つが融合して実践に取り入れられれば、日本のマネジメントがより一層力強くなるような気がしています。まだまだ入り口に過ぎないですが、この入り口の途の一冊が本書であるような気がしています。

―人間学とマネジメントの接点は?
佐藤 人間学は道徳でいうところの「徳目」の世界。どちらかというと戦後、置き去りにされてきた領域です。むしろフタをしてきた部分があります。でも、使わない手はないよね、と思うのです。戦争のあったある一時期、誤用されたという事実はあるものの、本質的にはいいものです。「修己知人」ということばがあります。組織を治める根本を言っていることばで、マネジメントのど真ん中のことばではないかと思っています。

―苦労された思い出深いパートはどこですか?
佐藤 渾身のパートとまでは言えませんが、最後の37節は絶対に読んでいただきたい部分ですね。「マネジメントが、それぞれの国に特有の文化を活かすことに成功しなければ、世界の発展は望みえない。これこそわれわれが日本から学ぶべきことである」という節です。古い日本が持つ潜在的な能力を知り、その能力を意識して活かせよと。コロナ禍の今こそ、読み考えてほしいと思っています。

―書き下ろしたところは?
佐藤 まえがきとあとがきです。ここは実は、つながっているのです。ドラッカーの本は、メッセージ的にまえがきとあとがきがつながっていたり、序章と終章がつながっていることが多いのです。これにならったところもあります。ドラッカーは日本の明治維新について言及している部分があります。維新がうまくいった理由について分析しています。実は、全く同じことを安岡正篤先生も自著に書いているのです。明治維新がなぜうまくいったかについて。それは「300年つづいた時代の文化を次に活かしたからだ」と。そう考えると、今、はたしてそういったことを活かせているのだろうかと。時代の閉塞感はここにあるのでは、と思っています。執筆中に、そういうメッセージがおりてきました。そんなことを、まえがきとあとがきに連ねて書いています。

―どんな人にこの本を読んでほしいですか
佐藤 特に若い人ですね。現代は行き場のない閉塞感がただよっています。なので、次の時代を生きる20歳代の若い人に読んでほしいですが、どうでしょう。伝わりますかね、少々不安もあります(笑)。
(敬称略)

『ドラッカーに学ぶ人間学』(アマゾンサイト)

◉佐藤さんの新刊出版を記念した対談が行われます。ナレッジプラザのビジネス塾の主催。2022年8月1日(月)、19時〜21時。対談相手は(株)致知出版社の藤尾允泰(ふじお・さねやす)編集長。テーマは「ドラッカーに学ぶ人間学」。詳しくは下記リンクを参照ください。

ナレッジプラザ 出版記念対談

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