Chatgptが今後士業の仕事に与える影響とは?司法書士が回答を採点!

chatgptを司法書士が活用

質問をすると対話型のAI(人口知能)が質問に答えてくれるChatgpt、ホワイトカラーの仕事に大きく影響を与えると言われています。

Chatgptの導入により、我々士業の仕事にどのような影響が生じるのか、現状、Chatgptはどの程度のものなのか。

6月は会社の定時株主総会が多い季節と言うこともあり、Chatgptに定時株主総会に関する質問を投げかけて、Chatgptの答えを司法書士が採点してみました。

Chatgptへの質問は、抽象的な「株主総会の目的」と具体的な「中小会社における定時株主総会開催のスケジュール」としました。

株主総会の目的について

【Chatgptのanswer】【司法書士による採点】
株主総会の主な目的は、以下のような点を含んでいます:
意思決定の場: 株主総会は、会社の重要な意思決定を行うための場です。株主は、役員の選任・解任、役員報酬の承認、資本政策の決定、配当の承認など、会社の経営に関わる重要な事項について議決権を行使します。
会社法第295条第1項は「株主総会は、~株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる」と規定しています。
Chatgptによる『株主総会は、会社の重要な意思決定を行うための場です』との定義は的を得ています。
加えて、会社法第341条には役員選任・解任、会社法第361条には取締役の報酬等、会社法第199条には募集株式の発行等、会社法第454条には剰余金の配当について、それぞれ株主総会において決議する旨が規定されおり、Chatgptによる株主が『役員の選任・解任、役員報酬の承認、資本政策の決定、配当の承認』について議決権を行使する旨の記載についても、適切で株主総会についてイメージを得やすい記載に感じます。
株主の権利保護: 株主総会は、株主の権利を保護するための重要な機関です。株主は会社の所有者であり、株主総会を通じて経営に参加し、自身の意見や利益を反映させることができます。
株主総会は、株主の意思を尊重し、会社の経営において公正な取り扱いを確保する役割を果たします。
Chatgptの答えには『株主は会社の所有者であり』と株主が株式会社の所有者であることが、そのものズバリ端的に記載されていること。

会社の所有者である株主の権利保護が株主総会を通じて図られることが記載されており、株主にとって株主総会が重要な機関であることが分かりやすく記載されていると思います。
会社の透明性の確保: 株主総会は、会社の透明性を高めるための場でもあります。
株主に対して財務情報や経営状況について報告が行われ、会社の方針や業績に関する情報が開示されます。
これにより、株主は会社の現状を把握し、経営に対する信頼を確保することができます
会社法第437条は、取締役会設置会社においては定時株主総会の招集通知発送に際して計算書類等を添付する必要がある旨を、会社法第438条は、基本的には定時株主総会において計算書類等の報告・承認が行われる旨を規定しており、株主総会が『会社の透明性を高めるための場』であり、『株主に対して財務情報や経営状況について報告が行われ、会社の方針や業績に関する情報が開示され』ることが漏れなく記載されていると思います。
役員の選任と監督: 株主総会は、役員の選任と解任を行う場でもあります。株主は、経営陣の選択や役員の資質について議論し、役員の業績や経営方針に対する監督を行います。これにより、会社の経営に対する株主の関与と責任が確保されます。
会社法第341条には、株主総会の決議による役員選任・解任、会社法第297条には、株主による株主総会の招集請求、会社法第360条には、株主による取締役の不適切・違法な行為等に対する差止請求が規定されており、株主総会を通じて『会社の経営に対する株主の関与と責任が確保され』されていることが記載されていると感じました。
総じて言えば、株主総会の目的は、株主の意思決定機関としての役割を果たし、株主の権利保護と会社の透明性を確保することです。また、会社の経営に関わる重要な事項について株主が参加し、監督を行うことによって、会社の健全な運営と長期的な発展が促進されることを目指しています。
まとめについても、無難かつ適切にまとまっている印象を受けました。

中小会社における定時株主総会開催のスケジュールについて

【Chatgptのanswer】【司法書士による採点】
中小会社における定時株主総会の開催スケジュールは、会社法や企業の定款に基づいて決定されますが、一般的なスケジュールの例を以下に示します。ただし、具体的な企業の定款や開示情報に従う必要があります。開催スケジュールが、『会社法や企業の定款』に基づいて決定されることは、一般論として誤りの無い記載です。
通知期間: 株主総会の開催日程や議題などは、株主に対してある程度の通知期間を設けて事前に通知されます。一般的には、2週間以上前に通知されることが一般的ですが、企業によっては30日前などより長い通知期間を設定する場合もあります。
中小会社においては、会社が発行する株式の全てに譲渡制限が付されているケースがほとんどです。そのような会社においては、株主総会招集通知の期間は、株主総会における議決権行使の方法として書面や電磁的方法による行使を認めない限り、1週間前までの株主総会の招集通知の発送にて足ります(会社法第299条)。また、定款に定めることでさらに短い期間にすることも可能です。 Chatgptによる『一般的には、2週間以上前に通知されることが一般的ですが、企業によっては30日前などより長い通知期間を設定する』との記載では一般論に過ぎ、質問の趣旨がいつまでに発送すればよいのかを確認したい場合、答えとしては不十分な印象を受けます。
開催日程: 定時株主総会の開催日程は、企業の業績や事業特性に応じて設定されます。一般的には、決算期の終了後の数か月以内に開催されることが多いですが、具体的な開催時期は企業によって異なります。
定時株主総会における議決権について基準日を設定する場合、会社法第124条は基準日株主が行使することができる権利について、基準日から3箇月以内に行使するものに限ると規定しているため、定時株主総会の開催日程は基準日から3箇月以内となります(例えば3月末決算の会社の場合、6月末まで)。 また、法人税の申告期限は、基本的には事業年度終了日の翌日から2月以内、つまり決算日の翌日から2月以内です。 Chatgptによる『具体的な開催時期は企業によって異なります』との記載は、記載自体としては誤りではありませんが、いつ定時株主総会を開催すれば良いのかを確認したい場合の答えとしては不十分な印象を受けます。
議案提出期限: 株主が議案を提出する期限が設けられます。議案提出期限は通常、株主総会開催の数週間から数か月前に設定され、株主が自身の提案や要望を会社に通知するための期間です。会社法第303条は議題提案権を、会社法第304条は議案提出権を規定しています。議題とは、例えば「取締役選任の件」という株主総会の目的となる事項であり、議案とは、例えば「取締役Aを選任する」という議題の具体的な中身です。 会社法の規定に照らすと、chatgptの示す「議案」が上記の議題又は議案のいずれかに該当するのか不明確ですが、文言通り議案提出の場合には、事前に会社に提出するケースと、株主総会の現場において提出するケースとが認められているため(いわゆる修正動議)、『議案提出期限は通常、株主総会開催の数週間から数か月前に設定され』というchatgptの答えは幾分、不正確・不十分なように感じられます。
株主名簿確定日: 株主名簿確定日は、株主総会に参加するための基準となる日です。通常、株主名簿確定日の翌日に株主が議決権を行使する権利が発生します。株主名簿確定日は、開催日の数週間から数か月前に設定されることが一般的です。
定時株主総会における議決権について基準日を設定した場合、基準日において株主名簿に記載されている株主が、定時株主総会において議決権を行使することができる株主となります。 chatgptの株主名簿確定日の『翌日』との記載は不正確に思えます。 また、chatgptの『株主名簿確定日は、開催日の数週間から数か月前に設定されることが一般的です』との記載も、記載自体としては誤りではありませんが、会社法124条は、基準日株主が行使することができる権利について基準日から3箇月以内に行使するものに限ると規定していますので、具体的な期間が不明確であり、不十分な答えに思えます。
中小会社の場合、株主総会のスケジュールは大企業と比べて柔軟な場合がありますが、企業は適切な通知期間や期日を設定し、株主に対して開示情報を提供する責任があります。株主は、会社からの通知や公表情報を確認し、株主総会のスケジュールに従って行動することが重要です。
一般論なまとめとしては、誤りのない記載に感じます。

まとめ

「株主総会の目的」については、項目立てて項目毎に分かりやすく記載がされていました。また記載の内容も概ね会社法に規定に反している記載は見受けられませんでした。大学1年生のレポートとして提出しても内容的には問題はないのではないでしょうか。

「中小会社における定時株主総会開催のスケジュール」については、それぞれの記載を、センテンスを区切って確認する限り記載に誤りはないものの、誤りや不明確な文言も見受けられました。また、一般論に終始している記載が多く、具体的にスケジュールを計画したい場合には望んだ答えが得られない、また、出典や根拠の記載がないため計画したスケジュールを決定するために用いるには不安が伴います。

今回は、Chatgptに株主総会に関する質問をしてみました。

皆さんも、自分の仕事や業務をChatgptに質問してみてはいかがでしょうか。

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