「法務・会計プラザ」、20年の想いと次なる20年への希望


法務・会計プラザ 20周年記念公開対談会から(平成29年7月27日収録)

[出席者]
太田勝久 弁護士    弁護士法人 太田・小幡綜合法律事務所代表
田澤泰明 司法書士   司法書士法人第一事務所代表
佐藤等  公認会計士  佐藤等公認会計士事務所代表
大植隆  不動産鑑定士 株式会社北海道アプレイザーズ・ファーム代表

 

—法務会計プラザの成り立ちは?

●太田
平成5年、法務・会計プラザの前身となる「法務プラザ」がここ道銀ビルの一室で設立されました。その当時は太田綜合法律事務所と第一司法書士合同事務所の2事務所で立ち上げられました。太田事務所がこの道銀ビルに入ったのは昭和62年のことでした。隣りの部屋50坪が空いたので、ぜひ借りようと思いました。しかし、いきなり倍のスペースになるのもちょっとしんどいなあと。その時思ったのが司法書士の方に借りていただきたいなあと。たまたま、田澤先生とは青年会議所で一緒に活動したこともあったので声をかけました。そんなことで「法務プラザ」と名付け、スタートしました。

●田澤
わたしはその当時、札幌の豊平区美園で実家の2階で事務所を開いていました。平成2年に街中のビルに移りました。その時、「第一司法書士合同事務所」と名乗っていました。司法書士と土地家屋調査士さんと一緒にやっていました。なので、名前に「合同」が付いているのです。太田先生から誘われて一緒にやることにしました。

●太田
当時はわたしも田澤さんも40歳代。新しい連携の仕方を模索しようじゃないかと。弁護士事務所と司法書士事務所が同じ場所にいるということは、法務が一緒にできますねと。この場所を「プラザ」と名乗ってはどうかと思いました。プラザとは広場の意味です。場所を共有しながら連携をとっていく。そうはいっても仕事の仕方は少々ちがうので、それぞれの事務所は、それぞれで維持していきましょうと。同じ場を共有しながらお客さまのためにどのような貢献ができるか。同じ会社ではなく、ひとつの結合体として、場をお互い盛り上げていこうよと。そんな想いでプラザの名前をつけました。

●田澤
わたしは以前から(株)船井総合研究所の船井幸雄さんの本が好きで読んでいました。太田先生も同じでした。本の中で「差別化の要素の中で一番大事なのは立地だ」と書いてあったんです。事務所が入るこのビルは札幌の中心に立地し、北海道の中心地でもあると思ったのです。その上で、強いブランドのためには品揃えが大切だと。お客さまが1カ所で用が足りる状態がベスト。その意味においてプラザという考え方はとてもいいと思っています。

—その4年後、「法務・会計プラザ」に

●佐藤
平成9年当時、再開発の事業を担当していました。そのプロジェクトの司法書士担当が田澤先生だったというご縁でした。わたしは西11丁目のビルに監査法人と一緒に同居していました。ある日、その事務所に太田先生と田澤先生が訪ねて誘われたのです。

●田澤
なぜ佐藤先生だったのか。それは普通の会計事務所とはちがって、コンサルティングが得意だったからです。一緒に連携してやるには、視野が広い会計士さんがいいと思っていたからです。

●太田
会計士さんもいろいろなタイプがいるんです。顧客に対してコンサルティングをしながら対応していくという人はそんなに多いわけじゃないんです。税務処理だけではなく、顧客に対していろんなサービスを提供できると思ったからです。そこが一緒になると、全体の強みになると思ったのです。

●佐藤
当時、わたしはコンサルティングが本業でした。しかし、会計処理に転換するタイミングでした。移った時は、ちょうど拓銀が破たんした年なのです。太田先生のところでは民事再生という仕事が急増していました。そんなこともあり、会計と一緒にお手伝いをし始めたというスタートでした。

●太田
平成9年はバブルが完全に崩壊した年でしたね。世の中、特に北海道が大きく転換していった年だったなあと思います。同時に情報化社会が広がってきました。仕事の仕方が変わってきました。加えて20世紀が終わろうとしていました。21世紀を迎えるにあたって、われわれはいかにポジションをつかむのか。こんなことを一生懸命考えていましたね。「21世紀ポジション」を確立していこうと。

—平成20年、アプレイザーファームが参加します

●大植
佐藤さんが相続対策をやっていた時、わたしは鑑定士として知り合いました。ウチが会社を設立したのは平成9年。佐藤さんがプラザに参画した年です。その11年後に佐藤さんから「スペースが空いたのでぜひ!」と話しをいただき、いいタイミングでした。当時、大通りの西15丁目に事務所があったんです。太田・田澤・佐藤さんの3人の関係を見て、「いい距離を保ているなあ」との印象でした。

—各事務所の理念や基本的な考え方などは?

●佐藤
理念では12年に一度、基本線をつくります。今、最終年を迎えています。なので現在は次に向けて計画を策定中です。

●太田
法律事務所というところは問題を解決することを生業としてます。依頼者が本当の意味でいい解決になるのか、プロとしてここを目指しています。なので、法律的な事務処理をするといった単なる勝ち負けではなく、勝ってさらにどう良くなるのか。負けてもさらによくなるためにはどうしたらいいのか。こういう視点で仕事をすべきだと思っています。ウチの事務所に来て依頼される方は、半分が勝って、半分が負けるんです。なので勝っても負けても依頼者がその問題を乗り越えて、いかにいい解決をしながら前に進んでいけるのか。こういった、問題解決による成長と発展にわれわれはどのように貢献できるのか。ここが本物のプロではないかと考えています。従って、われわれがお客さまの運やツキを落としてはいけない。どんな時も全力を出してあるべき知恵を出し切って、少なくとも「よかったなあ」と言っていただける解決をしていく。これが私たちの基本のところだと思っています。

●田澤
ウチの事務所は詳細な経営計画書というものをつくっています。これに5年、10年単位でどのようにしていくのかということを示しています。こまかく数字を立ててどのようにやっていくか作っています。一番は、やっぱり時流に合った業務をやっていくことでしょうか。

●大植
不動産鑑定士事務所ですから、不動産は事業をはじめる基本。土地がなければなにもはじまらないもの。お客さまの立場に立ったり、あるいは公平な立場での評価を通じて、地域に貢献したいと思って普段の業務に勤しんでおります。

—プラザでいることのメリットは?

●田澤
一番はお客さまにとって使いやすい場なのか、ということ。こういう形態は全国的にも珍しいと言われています。事実、船井総研さんが2回も視察に来られているほど。わたしたちを見て「奇跡の結合」と評価しています。本当はこのようにやればいいと分っていても、なかなか上手くいかないところが多いと。

●佐藤
業と業のあいだにまだまだやらなければいけないことがたくさんあるように思います。これを少しづつ埋めてきたような20年でしたね。

—20年もの長きに渡ってやれた秘訣は?

●大植
わたしは半分くらいですが、それぞれの係わり方でしょうか。独立した組織でありながら、アライアンスというか、情報交換するということが機能している。お客さんにとって喜んでもらえるという点においてはやりがいがありますね。個人の成長も、組織の成長も実感できる場であることは確かです。

●太田
タテに大きいピラミッド型の組織をつくろうとは決して思っていませんでした。これからは、ヨコにつながる時代だろうと。加えて、みんながリーダーの時代になるだろうと考えていました。ですから一人ひとりが専門家としてきちっと自立をしながら主体的に自分がやるべきものはなんなのか。自分の本当の生きがいはなんなのか。仕事の意味はなんなのか。このようなことをしっかりと考え、自分の使命を果たしていく。その上で地域で一番のプロと言われるようにお互い自己成長していこうと。本当のプロがヨコにつながることに意味があると考えたのです。今は情報の時代。インターネットにある情報をどうやって知恵に変えていくのか。顧客の利益をヨコにつながったプロがどうやって生み出していくのかに知恵を出し合おうよと。ここにプラザの醍醐味があったのかなあと思っています。当初は地域一番の事務所を目指していました。それから10年が経った後は、それぞれがこの地域の中でポジションができましたので、それをどう活かしていくのか。こんなことを深く考えやってきた20年だったのかなあと思っています。

●佐藤
全体では今100人を超えるスタッフ数になってきました。どうやって自主性を世の中に出していけるのか。ここが問われてきているように思います。北海道は大変な20年を過ごしてきました。それゆえ、地域や企業に知恵が蓄積している状態だとも思っています。こうしたものを掘り起こしていきたいと思います。

—これからの10年、20年の方向性は?

●田澤
先日、船井総研へ今後の20年ビジョンを提示してほしいと依頼しました。時流に関しては、1)人材の問題。人が少なくなるという現実。2)IT化がすごく進む。3)スタートアップが増える。この3つを柱にしたほうがいいとアドバイスがありました。そこで道銀ビルの10Fに「イノベーションプラザ」という名称で、新しい試みが始まっています。次に、組織化。立地もいいし、規模も大きい、ブランドも確立している。お客さまの会員化を進めてファンを増やしていくことが大切だと。ウチの業界で言うと、今は出生率が1.08人です。ほぼ一人っ子。そうすると新築住宅は建ちにくい。すると登記の件数は減るでしょう。一方で死亡者はこれから15年間は増えつづける。将来を見ると国際化へ向っています。いまからインバウンドに関する取引などに備えたいと思っています。

●大植
これからは中堅という次の時代を担う人が先頭に立ってもらい、一緒にこのプラザを盛り上げてもらいたいと思います。そういう意識を持って今の仕事に取り組んでほしいと願っています。

●佐藤
船井総研さんからのレポートは、言ってみれば、課題解決領域を広げよ、ということだと理解しています。今の人脈を次の世代につなげていくための会員化を図れと。プラザ全体のマネジメント人材、専任の人材を見出す。この3つが柱。このことを受けてネクストリレーションという会社を立ち上げ、10Fで「HK・イノベーション・プラザ」設置しています。ハコをつくって、人を集めたら、次の世代にお渡ししますと。これを育てていってほしいと思います。加えて、日々やっているスペシャリストとしての仕事以外の能力が求められる。マネージャーとしての能力が必要になってきます。いままでは“ヨコフラット”というものが功を奏した20年でしたが、これからは専任人材をすえて全体の方向づけをする人が必要になってきます。ですからこれからは「世の中の変化を見る眼」がとても重要だと思っています。

●太田
プロとは一人で仕事をしようと思えばできる人です。ただ、分野が違うプロ同士が手を結べば、より大きな貢献ができます。自分自信の仕事の中身も深まると思うのです。一人ひとりがきちっと自立をしながら、チームとしてパワーアップし、いかにプラザ全体の場の力を大きくさせられるか。これが大きな課題だと思っています。それぞれのチーム力を高めて、プラザ全体でのお客さまへの貢献を高めていく工夫を考えてほしいです。

—若手・中堅に向けては?

●田澤
「地域一番の専門家家を目指す」と、平成13年の目標にあります。この目標は各事務所それぞれが実現できたのでないかと思っています。次は、この一番をいかに有機的に結びつけることができるか、これが若手の役割だと思います。具体的には4つの事務所で営業マンがいたならば、4つの分野を紹介したほうが売りやすいと思うんです。総務・経理部門も各事務所それぞれが持っているより、4つを1つにまとめた方が効率がいいと思うのです。これまでは各事務所の発展を考えてここまできたと思いますが、これからはそのようなことも必要になってくる。タテヨコ、いかに有機的につながっていき、全体の発展を考えていくことが大切だと思います。私はもっともっと伸びると信じています。

—最後に抱負や感想をお願いします

●大植
ふりかえって20年という節目は感慨深いものがあります。いいことも、悪いことも、乗り越えて成長してきたなあと。今後も、楽しく、ワクワクという気持ちで仕事をやっていきたいと思っています。

●田澤
会社の寿命は30年。社会が変わることで変化に対応できないとそうなると思っています。自分たちが大きく変わらないと生きてはいけないかなあと。ここまでちょうど20年。将来をきちっと考える、とてもいい機会だと思っています。

●太田
あっという間の20年でした。けっこういいかげんさが良かったことも事実です。ゆるくつながってきました。このゆるさは、実は楽しいんですね。一つひとつの仕事はお客さまに向き合い本当に真剣勝負。しかし、こうやって仲間がいて、お互い拘束するわけでもなく、でもお互い信頼がある。切磋琢磨できる。お互い成長していく。この場のパワーを落とさず、みんないい仕事をやっていく。中堅・若手の奮起をお願いして、楽しくやっていきたいと思っています。

●佐藤
今いる4人は西田文雄先生の「西田塾」、天外伺朗先生の「天外塾」など、共通の学びがあったんだということがあります。こういった学びによってきずかれる土台のようなものがあったのは確かだと。共通の学びという基盤があって、いい柱が立っていくのではないかと思うのです。これからも、こうしたプラザ文化をもっともっと深めて、進化させていってほしいと思います。

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