【インタビュー:司法書士法人第一事務所 神沼博充さん】与えられた役割に感謝し、自分が今できることを一生懸命にやる

神沼博充さん
法務・会計プラザ 司法書士法人第一事務所

—どんな経緯で司法書士に?

札幌市出身、大学は関西学院大学です。母方のおばの母校ということもあり進学しました。司法書士になろうと思ったのは大学の3 年生の時です。学部は社会学部だったんですが、なにか資格でもとろうと思いました。最初、行政書士を受けました。その時、法律の分野も面白いなと思っていました。いとこにも司法書士がいたこともあり、受けてみようと思いました。就活はちょっとダメだなと思っていました。自己アピールとか苦手なんですね(笑)。勉強することは嫌いじゃなかったです。資格取得前は、ひたすら試験の勉強をしていました。試験に合格したのは大学卒業後の2005 年です。試験合格後、1年間ぶらぶらしてました(笑)。親の手前もあり、求人広告を見て第一事務所に応募。採用してもらいました。2006 年です。

—事務所の概要は?

「第一事務所」は司法書士を母体とする事務所です。スタッフ数は約50 人。司法書士の資格者は10 人在籍しています。司法書士・行政書士でもある代表の田澤泰明が、1982(昭和57)年に個人事務所を開設。以来、人数もだんだんと増えてきたことから、2016 年に法人化しました。取り扱い業務としては、通常の司法書士事務所がやっていることはだいたい何でもやっています。不動産登記、会社の登記、債務整理、相続関連などです。一番多いのは不動産登記ですね。ウチは事務所が札幌の中心部にあることもあって金融機関とのつながりが強いことが特徴です。

—大規模な事務所ですね?

司法書士は、家族経営が多い業界。その中にあって、スタッフ数でいうと北海道では1 番です。東北以北でも1〜2位だと思います。大きくなれたのは所長の人間関係を構築する力によるところが大きいと思います。所長が10数年前から東京に頻繁にいくようになり、首都圏の発注者からの依頼を増やしてきました。

—得意分野をおしえてください

個人の借金問題の解決です。この分野は長く担当しています。よくあるケースとして、月収が15 万円とか18 万円とかの人で、身の丈を超えるような支出をしてしまった方。そういう人が、一度クレジットカードやサラ金からお金を借りるようになると、どんどん借金が増えていきます。だいたいトータルで200〜300 万円くらいになると与信がなくなり、それ以上は借りられなくなります。すると返済ができなくなり、困って相談に来られるというパターンです。正式に依頼いただくと、私たちが債権者と交渉して毎月の返済額を圧縮してもらいます。病気などで収入がないという場合には、自己破産の手続きをとることもあります。相談に来られるのは「ホームページの広告を見て」という人が圧倒的です。面談はたいてい1回、1時間くらいです。年間120〜180 件くらい担当しています。相談に来られる方は、たまたまお金の管理が上手ではなかった人。人間的にはとても魅力的な方もたくさんいます。また、中には「家計簿をきちっとつけられては?」といった簡単なアドバイスで、みごとにお金の管理をすることができるようになった女性もいました。

—大切にしていることは何ですか?

可能なかぎり自分の能力が高まるような仕事をしたいと思っています。自分が前より高まっているという感覚が好きです。できなかったことが、できるようになる。知らなかったことが、知れるようになること。お客様に対しては安心してもらうことです。困っている状態で来る人が多いので、「僕に任せてもらえば大丈夫です」と伝えて、安心してもらえるように努めています。その後は一つひとつの工程を淡々と処理していきます。

—1日の仕事はどんな感じ?

仕事は個人ではなく、チームで取り組みます。定型的な業務の場合は、スタッフの協力のもと進めていきますね。我々の業界も税理士の先生ほどではないのですが、やはり頻繁に法改正などがあります。常に知識はアップデートするよう心がけています。司法書士会の研修にはなるべく出席しています。

—仕事の喜びは何ですか?

個人相手の業務で言えば、依頼者から「ありがとうございました」と言ってもらえること。相手の状態が良くなることがうれしいですね。法人相手の業務で言えば株主総会等の毎年の業務が「今年も滞りなくやれました」と言っていただけること。事務所全体としては、売上が計画どおりに上がって、職員のみんなの生活が守れることですね。

—20 年後のイメージは?

いま36 歳です。20 年後、56 歳ですか。自分ができることをやろうと。執行役員といった役割や次世代を担う立場を与えていただいていることは大変ありがたいことです。これは決して実力ではなく、事務所でも、法務・会計プラザ全体でも、偶然の巡り合わせの中で、与えて頂いたものです。このような立場に感謝して、目の前の課題に一つひとつ丁寧に取り組んでいきたいと思っています。事務所と法務・会計プラザの継続・発展のために、自分のできる範囲でやれることをしっかりとやっていきたですね。今後はプレーヤーではない仕事、マネジメントの領域が増えてきます。この分野でも勉強して貢献していきたいと思っています。

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