馬場聡さん
法務・会計プラザ 太田・小幡綜合法律事務所
副所長 弁護士
—経歴をおしえてください
1983年、知内町生まれ。父の仕事の都合で道内をあちこち転居した後、小樽市で育ちました。北大法学部、大学院で学んだのち2011年に司法試験に合格しました。司法修習を経て2012年に当事務所に入所しました。これまで司法修習で東京に2ヶ月ほど滞在したほかは、北海道に居住していて生粋の道産子です。
—入所の経緯は?
大学では法律の学術的なことに関心があったこともあり、民法などの教授と親しくさせていただいておりました。司法修習生のときに、親しい教授お二人から「太田事務所で弁護士をするのがいいのではないか」とのことでご紹介を頂きました。当事務所代表の太田弁護士との面接などを経て、入所することになりました。「話しがおもしろくて、豪快な先生だな」というのが太田弁護士の第一印象でした。
—どのような仕事をしていますか?
入所以来,企業内の法的問題の対応や企業間紛争を扱ういわゆる企業法務が仕事の中心です。当事務所は多くの業態、多種の企業、法人の顧問をさせていただいており案件は多種多様です。紛争案件の多くは提携している士業や企業などからのご紹介が多いといえます。顧問先様については、紛争の当事者にならないように適切なアドバイスをさせていただいているところです。具体的な案件には、ガバナンスに関する紛争(会社の代表権などの争いや、会社のM&Aに端を発した支配権の問題など)やコンプライアンスに関する問題(企業間ないし企業内での不祥事に関する問題など)、不動産に関する紛争(明渡しや賃貸借に関する問題から建築瑕疵まで)などです。私は常時50〜60案件を担当しています。当事務所は部門制になっています。裁判部・相続部・企業支援・社外法務。わたしは裁判部に所属していて、責任者をしています。スタッフのみなさんとチームで仕事を進めます。スタッフは主としてバックヤードで事務作業を中心に。資格者は表に立って案件に対応します。
—得意分野はありますか?
得意分野は「民事保全」。仮差押えとか、仮処分などの保全分野と言えるかもしれません。裁判をすると1年くらいはかかってしまい、裁判の終了の前に財産などが散逸し、法人が焦土化される危険があるケースもあります。民事保全とは、そうならないために裁判所の仮の手続きで財産などを保全しておこうというものです。民事保全の段階で勝敗が決せられる事件も少なくありません。スピーディーに組み立てて素早くことを運ぶ必要があります。私自身、民事保全を活用して紛争を解決することは得意といえますし、当事務所としても民事保全を活用し多くの問題を解決してきたと言えると思います。
—どのような1日ですか?
出勤して、もろもろの準備、資料などに目を通します。裁判所は午前10時に開廷します。裁判手続は尋問や調停などを除けば概ね30分くらいで終わることが多いといえます。そのため1日に3件とか4件とか、裁判をはしごする日もあります。裁判所以外ではお客さんと打合せをするといった来客対応や相手方との交渉などがあります。現場に問題解決のヒントが隠されていることも多くありますので、事件の現場に行くこともあります。裁判所や相手方への主張は基本的に書面を通して行いますから、書面を起案する時間にも多くの時間を割くことになります。起案は夕方から開始する、というパターンが多いですかね。
—大切にしていることは?
裁判所にあがる事件には勝つ事件があれば、同じだけ負ける事件もあります。負ける事件だからという理由で弁護を拒否する人もいるようですが、私はそのようなことはしません。負けるにしてもいい負け方、総合的に依頼者がいい方向に行けるようにすることが大切だと考えています。そのためには、何が問題なのかという本質を見極める力が大切でしょう。依頼者も気がついていない核心は何か。ここを理解する力。そして、それをどのように解決するかという組み立てがきちんとできる力が重要だと思います。そして必要なことは、なんといってもあきらめないことです。解決にはいろいろな方法がありますから。ダメだなと思ったらそこで終わりです。他の視点から見れば、違う方法も出てきます。複雑困難な案件は事務所内の他の先生方とも相談して進めます。
—20年後のイメージは?
イメージつかないですが…。そうですね、プラザの中では現在進行形で新しい個性が続々と出ていますよね。法務・会計プラザ全体で言えば、20年後もっと進化し、個性を発揮するメンバーが連携している。もっと緊密に、もっと高度なことを、いろいろな障害を乗り越えてやっているようになればいいですね。当事務所は、太田弁護士がイノベーションやテクノロジーへの探求と導入を開所以来積極的に行ってきたという背景があります。そして先端的なアイデアを実現してきた風土があります。20年後は、さらに進化したイノベーションやテクノロジーを活用しながら先進的な取り組みを行って、さらに強固で魅力的な組織になっていると思います。
—どんな弁護士になりたいですか?
今後はAIが進出してくると思います。機械ができないことをやる。人間のこころの機微を読んだり、人間のありようについて機械が入りこめない分野があると思うのです。問題解決や裁判は、単純な損得ではなく感情がからんでくることですので、それらを織り込んださらに質の高い解決策を提案できる弁護士になりたいと思います。
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