日々、債務整理のお話をお伺いするなかで、お客様から
「住宅ローンの申込をしたところローンが通らなかった。担当者から信用情報機関に登録がないかどうか確認を勧められた。記憶をたどると払っていない借金やクレジット料金が思い当たる。」
あるいは
「昔、消費者金融から借金をしたことがあった。返済を忘れたままに長期間経過してしまったが、最近になってもクレジットカードの審査が通らない」
といったお話をお伺いすることがあります。
簡単に言うと、借入や未払金があるために、信用情報に審査にマイナスとなる情報が登録されてしまい、住宅ローンやクレジットカードの審査が通らない状態です。
そんなときの代表的な解決策が、
「消滅時効による借入や未払金の消滅と、信用情報の回復」になります!
それでは、どのようにして消滅時効を主張し、信用情報を回復するのか、今回は信用情報機関と消滅時効について解説をしたいと思います。
信用情報機関について
消滅時効による債務の消滅のためには、まず第一に自分自身がどこから借入をしていたり、未払金があるのか確認する必要があります。そのためには信用情報機関へのお問合せが有効な手段になります。
信用情報機関とは、個人の借入などに関する情報の取扱機関です。借金やクレジットカードの立替金に長期間の延滞などが発生すると、信用情報に滞納していることが記録されてしまい、住宅ローンやクレジットカードの審査に通りにくい状況となります。
信用情報機関は、CIC、JICC、JBAの3つがあり、CICは主に信販会社(クレジットカード)、JICCは主に消費者金融、JBAは主に銀行に関する信用情報を取り扱っています。
例えば、支払っていない借金が消費者金融からの借入であれば、JICCの登録情報を、支払いを忘れている未払金がクレジットカードに関するものであれば、CICの登録情報を、確認することになります。
次に、それぞれの信用情報機関に対する信用情報の確認方法は、
- CIC:インターネット・郵送・窓口
- JICC:スマートフォン・郵送・窓口
(窓口は当面の間中止) - JBA:郵送
以上の通りとなります。各信報情報機関のホームページ、それぞれの確認方法の詳細が掲載されています(※各社費用が1,000円程度必要となります)。詳細は各信用情報機関のホームページをご確認下さい。
いよいよ、信用情報がお手元に届いたら内容を確認しましょう。
ここでは、CICの記載を例に取ります。
信用情報の26.返済状況に「異動」と記載されている場合、上記の説明書きの通り、信用情報に審査にとってマイナスとなる情報が登録されていると言えます。
※審査は返済状況のみならず、収入や勤務先等と言った様々な情報を考慮するので、一概に信用情報の異動情報のみで審査が難しくなると言い切れるわけではありませんが、一般的にはマイナスの要素にはなっているものと思われます。
以上、信用情報の取寄せと確認方法となります。
借入先や未払先の確認ができたら、次は消滅時効の主張です。
消滅時効について
消滅時効を成立させるためには、スリーステップが必要となります。
- ステップ① 最後の借り入れ、返済から5年経過していること
- ステップ② 時効を妨げる事情がないこと
- ステップ③ 時効の意思表示をすること
それぞれ、説明します。
ステップ① 最後の借り入れ、返済から5年経過していること
例えば、最後に消費者金融から借入をした、あるいは返済をしたときから5年経過していることが必要になります。
※10年必要な場合もあります。
ステップ② 時効を妨げる事情がないこと
例えば、消費者金融が裁判所に対し借金を払えという訴えを提起し、これを認める判決がおりている場合、①の期間は再計算されることになります。
このように、時効の進行がストップしてまた新たに「ゼロ」から時効期間の進行が始まってしまう場合があります。
相談される方のなかには、裁判所から届いた文書を放置している方がいますが、そのような場合、気付かないままに時効中断していることがありますのでご注意下さい。
ステップ③ 時効の意思表示をすること
借金や未払金を消滅させるために、「時効です」と意思表示をすることが必要になります。
時効は法律で認められた制度ですが、一方では、借りたお金や払っていないお金は返済しなさい、払いなさいというのも道理です。そこで、①②がそろっていても「時効です」と意思表示しないかぎり、自動的には借金は消滅しない仕組みになっています。
まとめ
信用情報をキレイにするために時効を主張するためには、まず信用情報を取寄せて借金や未払の相手を確認する必要があります。その内容は【信用情報機関について】に記載のとおりです。それぞれのホームページを参照し、簡単に取寄せることができます。
他方で、消滅時効の方法・主張については、【消滅時効について】に記載のとおり、①5年経過しているかどうかの判断・確認や、③主張方法など、多少専門的な技術が必要となります。
「昔の債務のせいでローンが組めない!」
と言ったことでお困り・お悩みでしたら、一人で悩まず、ぜひ司法書士法人第一事務所までご相談下さい。きっと問題解決にご協力できると思います。

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