あなたは本当に大丈夫?債務整理業務の経験豊富な司法書士が伝えたい「キャッシュレス決済の罠」

 

昨年10月に消費税の増税が実施され、その際に国の政策である「キャッシュレス決済のポイント還元」が実施されました。これは対象店舗でキャッシュレス決済を利用して買い物をすると、5%又は2%のポイント即還元(実質的な値引き)される制度です。

 

経済産業省のキャッシュレス決済に関するページはこちら

 

この記事をお読みの皆さんの中にも、これを契機にキャッシュレス決済の利用をはじめた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

キャッシュレス決済には、大きく分けると次の3種類があります。

①既にあるお金(銀行口座の残高など)で買い物をする方法(以下、「即時払い式」といいます。)

デビットカードなど

②事前にチャージしたお金で買い物をする方法(以下、「前払い式」と言います。)

電子マネー、プリペイドカード、スマホアプリでの決済(事前にチャージする場合)など

③先に買い物をして後からお金を払う方法(以下、「後払い式」といいます。)

クレジットカード、携帯電話料金に上乗せされる電子マネー、スマホアプリでの決済(クレジットカード払い)など

 

即時払い式・前払い式であれば、既にある預金、ポイント、チャージ残高などを使うだけなので、自分の支払い能力を超えた使い過ぎの心配は、あまりありません。

しかし、後払い式の場合は、手元にお金がなくても買い物ができてしまいます。

そのため、買い物に使い過ぎてしまい、後日お金を払う段階になって、手元のお金が足りず支払いができないという場合があります。

 

特に最近は、携帯電話料金に上乗せで支払いをする電子マネーで、後日の支払いが出来なくなっているケースをよく見かけます。

後払い式は、大雑把に言ってしまえば「借金」なのですが、手軽に使えるためクレジットカードやローンを組む時のような重たさがなく、ついつい使いすぎてしまう・安易に頼ってしまうという側面があります。

 

多くのサービス提供会社で、使い過ぎを防止するために、月に利用できる額の上限は5万円程度に抑えられているようですが、5万円程度の使い過ぎであっても1か月の生活費から捻出するのは難しい場合もあります。

 

しかし、利用してしまった以上は支払期日には支払いをする必要があるため、給料からキャッシュレス決済の後払い分の支払いをしてしまうと生活費が不足し、また後払い式のキャッシュレス決済を利用せざるを得なくなり、どんどん依存度を高めていくことになります。そして、最終的には、キャッシュレス決済の限度額だけではお金が足りなくなり、カードローンなどを契約してしまい借金生活が始まるのです。

 

上記のような負のスパイラルに陥る前に早期に改善出来れば、数か月程度で自力で解消できるのですが、一度後払いのキャッシュレス決済にはまってしまうとしまうとなかなか抜け出せない方が多いのが現実です。

そして最終的には多重債務者となってしまい、その後の対応に苦労してしまったり、最悪の場合、自己破産せざるを得なくなった方もいらっしゃいます。

 

キャッシュレス決済自体は非常に便利であり決して悪いものではないのですが、後払い式の場合は、手元のお金が減らないためついつい使いすぎてしまうという落とし穴がありますので、出来るだけ即時払い式や前払い式を活用する方が好ましいと考えます。

 

現在、月々の後払い式のキャッシュレス決済の支払いをすると、その月の生活費を残った現金だけでまかなうのが難しく、その不足を補うためにキャッシュレス決済での買い物が必要な方は要注意です。もし当てはまっていれば早急に対応すべきです。

また、もし既にそのような状況が重篤化していて、多重債務に陥っている場合は、すぐにご相談ください。少なくとも、後払い式のキャッシュレス決済の支払いを含め3社以上に借金を支払っている状態であれば、ご自身での解決が困難であると思われます。

 

借金の問題のご相談は非常に気が重いものとお察ししますが、早期にご相談いただくほうが、よりよい解決に結びつくことも多いので、もしそのようなご状況に陥っていたら是非お早めにご相談ください。

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