相続放棄で知っておくべき注意点5つ
相続放棄を行う際にはいくつか気をつけるべき注意点も存在しますので、詳しく確認していきましょう。
[もくじ]
①相続放棄には期間制限がある
②相続開始前に相続放棄はできない
③相続人全員が相続放棄をした場合は国のもの
④生命保険の相続は含まれない
⑤相続放棄と代襲相続
①相続放棄には期間制限がある
相続人は被相続人の相続開始を知ってから3ヶ月以内に、「単純承認」「限定承認」「相続放棄」のいずれかを決めなければいけません。3ヶ月の期間内に限定承認も相続放棄もしなかった場合は、単純承認として相続をしたことになります。 単純承認とは、プラスの財産もマイナスの財産もすべてを相続することです。3ヶ月を過ぎても家庭裁判所に申立て、裁判所が期間延長を認めれば相続放棄は可能ですが、時間と手間が掛かるので、3ヶ月以内に終わらせておくことを推奨します。
②相続開始前に相続放棄はできない
相続放棄は相続開始後に家庭裁判所に対して相続放棄の申述をすることで成立するものです。家庭裁判所は相続開始前の相続放棄を受け付けていないので、相続人が相続開始前に相続を放棄するということはできません。
③相続人全員が相続放棄をした場合は国のもの
相続放棄をすると、放棄した人は初めから相続人ではなかったことになり、相続人が変更されていきます。相続人が誰一人いなくなってしまった場合、被相続人が持っていた財産や借金はどうなるのでしょうか?
◆財産は国のもの、借金は消滅
最終的に被相続人の財産がプラスとなるのであれば、すべて国のものになります。しかし、被相続人の財産がマイナスとなるのであれば、当該マイナスの財産は債務者の消滅に伴って消滅します。
④生命保険の相続は含まれない
被相続人の生命保険の受取人として特定の相続人が指定されているという場合があります(例えば、「父-母-子」という事例で父が死亡した際に、死亡保険金が母に指定されているというケース)。原則として、生命保険金は受取人指定がされた者の固有財産と評価され、相続財産には含まれないと考えられています。
したがって、この生命保険金は相続を放棄したとしても、支払いを受けることができます(例えば、上記事例の父の生命保険により、母が1,000万円の生命保険金を受け取れるという場合、母が父の相続を放棄しても、1,000万円の支払請求権には影響しません)。ただし、死亡保険は含まれませんが、積立式の解約返戻金は相続財産となるため注意が必要です。
⑤相続放棄と代襲相続
「父-子-孫」の事例で子が父の相続を放棄した場合、子は父の相続をすることはできませんし、孫が子に代わって父の財産を代襲相続するということはありません。
子が先に死亡して孫が子の相続を放棄した場合、孫は子の相続人ではなくなります。しかし、父との関係では直系卑属の地位を失ったわけではありませんし、孫の相続放棄はあくまで子の財産に対するものであり、父の財産に対するものではありません。そのため、この場合、子の次に父が死亡した場合、孫は父の財産を代襲相続することができます。
◆相続放棄と代襲相続の違い
相続放棄と代襲相続は、意味が全く違い、機能する場面も全く異なります。以下、簡単に説明します。
相続放棄
⇒もともと相続権を有していた相続人が、その権利を放棄して初めから相続権を有していなかったものとして扱う制度です。当初から相続人が一人いなくなったことになりますので、ほかの相続人の相続分が変動したり、相続人でなかった者が相続人となったりします。
代襲相続
⇒被相続人の死亡時に、本来相続人となるはずであった者がすでに死亡している場合(例えば、「父-子-孫」のケースで父死亡時にすでに子が死亡しているケースや、「兄-弟」のケースで兄死亡時に弟がすでに死亡しているケースなど)に、当該相続人となるはずであった者の子が、被相続人の財産を当該者の代わりに相続する制度です。
これ以外にも細かい注意点があるため、一度専門家に状況を相談した方が安心です。
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